近年、裸苗と比べて植付け効率が良く、活着率も高いとされるコンテナ苗が注目されている。しかし北海道に自生する針葉樹は初期成長が遅く、林床が厚くササ類に覆われているため、コンテナ苗が裸苗と同等以上の生残率や成長を示すかどうかを確認する必要がある。本研究では、エゾマツを対象に、4年生コンテナ苗と2種類の方法で育成した3年生コンテナ苗、7年生裸苗を2010年秋と2011年春に植栽し、植栽後3年間の生残、樹高、地際直径を調査した。2種類の3年生コンテナ苗は、4年生コンテナ苗や裸苗と比較して、調査期間にわたり、生残率が低く、成長量も小さかった。3年後の生残率は、4年生コンテナ苗と裸苗の間に有意差がなかった。樹高成長量と直径成長量については、1生育期目と2生育期目では4年生コンテナ苗と裸苗が同等の値を示したが、3生育期目には裸苗の方が4年生コンテナ苗よりも大きくなった。