森林遺伝育種
Online ISSN : 2187-350X
Print ISSN : 2187-3453
ISSN-L : 2187-350X
総説
グイマツ雑種F1の環境ストレス応答と林木育種
来田 和人菅井 徹人藤田 早紀小池 孝良
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 7 巻 3 号 p. 107-114

詳細
抄録

北海道の造林樹種として2代目造林が検討されるカラマツであるが、先枯れ病やネズミの食害に弱い弱点を克服したグイマツ雑種F1への期待も高まっている。特に、幹の通直性や材の強度に優れ、比重の高いクリーンラーチの安価な挿し木増殖法が開発され、コンテナ苗での苗木生産の目処も立った。一方、カラマツはタネの発芽率が低く、F1苗は生産数も限られている。このため、植え付け後の活着と初期成長に関する環境への応答特性を知って、さらなる改良を進めたい。急速な無機環境変化として窒素沈着と対流圏オゾン、長期的な変動としてCO2への応答をF1と両親のグイマツとカラマツの応答を操作実験によって評価した。その結果、F1はO3とCO2の影響を受けやすい傾向があった。

著者関連情報
© 2018 森林遺伝育種学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top