抄録
数種の剛直高分子について,分子鎖軸方向のヤング率極限値を格子力学法に基き計算した。ポリ-p-フェーレンベンゾビスチアゾール(PBT): 371.0GPa(試料のバルクヤング率約250GPa),ポリ-p-フェニレン: 275.1GPa,ポリ-p-ベンゾビスチアゾール: 588.3GPa,ポリ-p-フェニレンピロメリトイミド: 505.3GPa(試料のバルクヤング率約130GPa)。これら高分子におけるヤング率の違いの原因を,分子鎖に引張りひずみを与えた時に生じる原子変位とひずみエネルギー分布に基いて議論した。ヤング率の計算で使用した分子内力場の妥当性をチェックするために, PBTの赤外,ラマンスペクトルの帰属を基準振動計算によって行った。