繊維学会誌
Online ISSN : 1884-2259
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緯糸張力に關する研究
第6報 解舒速度と緯糸張力
内田 豐作久世 榮一
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1951 年 7 巻 5 号 p. 254-257

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抄録

速度張力線圖から緯糸張力の點のみについてシヤツトルの構造及び織機の回轉速度を夫々の織機について考察してみたが,著者らの行つた實驗から云えば, B自動織機用シヤツトルが最も良好な構造を有するように考えられた。毛織機や絹織機の回轉速度をあげ得ないのは,要するにアイレツトにおいて,糸のうける抵抗が大きい爲であるから,この抵抗を小さくするような構造のシヤツトルを使用すれば,織機の回轉速度をあげることも可能であり,特に絹織機用シヤツトノレ特有の張力調整裝置は,糸のほぐれを止めるための裝置としか考えられぬので,他に適當な方法を考案すれば織機の回轉速度をあげることは容易に行えるものと考えられだ。前報でも述べたように,緯糸張力はシヤツトル内の解舒の位置によつても大きく變化し,この點からもシヤツトルの構造や織機の回轉速度を考察すべきは勿論で,これについては續報で報告するつもりである。

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