主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
COVID-19状況下において,感染予防対策の一環として不要不急の外出の自粛が求められた。一方,緊急事態宣言前後の人口動態分析では,外出者が大幅に減った地域もあれば,変動率が低い地域もみられた。そこで本研究では,どのようなパーソナリティ要因がコロナ禍における外出自粛行動に影響を及ぼすのかを検討するために,悲観性と同調志向に焦点を当てた。また,悲観性が高い人は外出を自粛する傾向にある(仮説1),同調志向傾向が高い人は外出を自粛する傾向にある(仮説2)という仮説を立てた。得られたデータを分析した結果,悲観性と外出自粛行動において有意な差がみられた(χ2(1)=3.91, p=.048, ϕ=.19)が,同調志向では有意な差がみられなかった。したがって,仮説1は支持されたが,仮説2は支持されなかった。仮説1が支持された理由として,外出した場合の誹謗中傷やCOVID-19に感染することへの恐怖,事態に対する諦めといった傾向が考えられた。また,仮説2が支持されなかった理由として,政府やメディア等で外出の自粛が強く推奨されていたため,同調志向の有無に限らず外出を自粛していたのではないかと考えられた。