抄録
近年、建築物の長寿命化への社会的要請が高まっているが、外壁面の美観は社会的寿命の観点から重要な性能の一つである。外壁仕上材料の多様化に伴って経験論的に「汚れ」防止・制御を行うことは難しくなってきており、複雑な「汚れ」発生機構を統一的に取り扱う予測モデルが求められている。一方で、「汚れ」の原因となるばい煙や生物の胞子などを移動する媒体としての雨滴流れを数理的に扱おうとした例は非常に少ない。既住の研究の多くは実験的な検討から外壁材料表面のぬれ性が汚れの発生に大きな相関を持つと報告している。本報では雨滴流れにおけるぬれ性の再現に重点を置き、近年開発が進んでいる流体シミュレータである格子ガス法を採用してその適用性を検討した。