抄録
VOC放散速度の測定方法として代表的なJIS A 1901に規定されている小形チャンバー法では、20Lチャンバーが使用される場合が多い。本研究では3Lチャンバーを開発して20Lチャンバーとの相関性およびJIS A 1901への適合性を検討、結果をまとめると、(1)両チャンバーの物質伝達率・気密性・回収率はほぼ同等性能であった値、(2)繰り返し精度はn=5で確認した結果、2日後、3日後の変動係数は13%以内、7日後は17%とバラツキはあるが、3Lチャンバーの全体的な測定精度は20Lチャンバーとほぼ同じレベルであった、(3)両チャンバーには相関係数が0.99以上と高度の相関性があり、塗膜からのVOC放散測定法として適用できることが確認できた、(4)チャンバーの小型化により省スペース化が可能となる上、日常のチャンバー洗浄・乾燥などハンドリング性が向上した。