抄録
Sm2+ドープホウ酸塩ガラス(15Na2O·85B2O3)では、680nm付近の4f-4f(7F0-5D0)遷移で永続的スペクトルホールバーニング(PSHB)が起こることが知られており、レーザー照射後スペクトルにホールが形成されるが、580nm付近の4f-5d遷移でこの現象は観察されない。ところがガラスを粉砕して粒径数μmの微粉末にした試料に580nmのレーザー光を照射すると、スペクトルにホールが形成された。このホールの形成機構は従来のPSHBとは異なり、多重散乱光の干渉に基づくものであり、そのホール幅は媒質の散乱強度の増加と光吸収の減少により狭くなり、酸化チタンを混合していった試料におけるホール幅は、1.8cm-1にまで減少した。