抄録
鉄筋コンクリート造部材に施工する仕上塗材には、中性化抑制、塩分浸透抑制効果をはじめとする躯体保護効果があることが知られている。仕上塗材の補修・改修を検討する上で、その効果の把握は重要であるが、長期的な屋外暴露に基づく検討は少ないのが現状である。また、地域環境条件による影響も明らかではない。それで、本研究では仕上塗材の躯体保護効果のうち中性化抑制効果および塩分浸透抑制効果について、10年間の屋外暴露試験結果に基づき、地域環境条件および経年変化の影響を考慮し、検討した結果を報告する。その結果改修仕様の仕上塗材の中性化抵抗Rは、塗り重ねた仕上塗材毎のRの加算によって表現できたし中性化抑制効果と塩分浸透抑制効果とは良好な相関があり、中性化抑制効果から塩分浸透抑制効果を推定できる可能性があった。