抄録
近年の建物は快適な空間となりつつある一方で,臭気に関して日本建築学会から室内の環境を臭気基準値以下に維持するための対策などが提示されているにも関わらず,たとえば病院では,トイレや汚物室のみならず,病室内でも不快な臭いが漂っているケースもある。そこで,筆者らはゼオライトが吸着性能の高いことに着目し,塗料にゼオライトを混入することで,室内の臭気を低減することのできる塗料の開発を行った。本報では,(1)開発した消臭塗料の実施における最適な塗布量の選定、(2)工場でのボード製品化を想定し、下地材として石こうボード等に開発品を塗布したときの臭気ガス除去性能、(3)天井材に開発品を塗布したときの吸音性能への影響、について確認した結果を述べた。