抄録
塗装したコンクリートにおいては、塗料中のVOCが浸透,拡散し、コンクリート中の水分の周りに介在して、炭酸化反応を阻害することが考えられる。これに加えて、塗膜が炭酸ガスの透過を遮断することで中性化の進行が抑制される。以上から、VOCの中性化の進行に及ぼす影響と、塗膜の炭酸ガス透過度の影響とに着目して、塗装の中性化抑制性を検討した。検討の結果、塗装したコンクリート表層には、非水溶性の化合物を多く含むVOCが残存して、揮発するまでの間、一過性の中性化抑制性を発現することを示した。このため、中性化促進試験においては、初期に発現するVOCによる一過性の影響を除いて、中性化の進行が早まる時点以降の結果に基づけば、塗膜の炭酸ガス遮断効果による中性化抑制性を評価できることが示唆された。さらに、仕上塗材塗り,塗膜防水材塗りでは、塗膜の炭酸ガス透過度を測定することで、中性化抑制性を把握できることを示した。