本研究では,シラン系含浸材のコンクリート細孔内部におけるアルコキシ基の反応性を高めることで,含浸材の劣化を抑制するとともに,これをシラン・シロキサン系表面塗布材により保護する併用型の有効性に加え,屋外暴露環境における表面保護効果の持続性を明らかにすることを目的とする.ここでは,性質の異なる2種類のシラン系含浸材を使用し,JSCE-K571-2004に基づいて評価した結果を報告する.その結果,含浸材の性能は,単に含浸深さよりも,その反応性を高めることで,含浸層がより緻密となり,表面性能が改善された.さらに,含浸材と表面塗布材を併用することで,表面保護効果を著しく改善することができた.また,屋外暴露48週後においても,表面保護効果が維持されており,コンクリート表面特性の改質に有効であることが確認できた.