抄録
環境コーズ・マーケティングの一つである高日射反射率塗料に関する環境省公開データを用いた回帰分析により製品属性等がもつ温度低下効果を調べた。また、数種の建築向けの環境対策製品に対する消費者意識と行動に関してアンケート調査を行い、環境を重要視する消費者層の属性を明らかにした。その結果、例えば、高日射反射率塗料の選択者は、社会的責任や環境に対する意識に基いた選択ではなく、製品属性の中で工事費用やメンテナンス費用を重要視していることが分かった。このように、消費者は製品の属性に応じた選択を行うため、環境対策製品のマーケティング戦略立案においては、消費者の意識、行動、関心に注目した消費者層を選別する必要性が示唆された。