日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
2014年大会学術講演会研究発表論文集
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2014年大会学術講演会研究発表論文集
二層分離型構造をもつ複合樹脂粉体塗料の耐候性評価
*北川 将司近藤 照夫木口 忠広
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 27-

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抄録
アルミ二ウム合金材料に適用する粉体塗料として、樹脂特性が異なるポリエステルとふっ素樹脂を混合した粉体塗膜の性能に注目している。硬化塗膜の断面観察から、塗膜表層には耐候性に優れるふっ素樹脂、下層には塗膜物性に寄与するポリエステルとふっ素樹脂の混合層で構成される二層分離形構造であることが把握されている。本報では、ポリエステルとふっ素樹脂を練合せて作製した粉体塗料の硬化塗膜の耐候性に関する継続的な評価を実施して、以下のことを示している。(1)6000時間までのSWOM試験では、塗膜表層に10μm以上のふっ素樹脂層が形成された硬化塗膜は、高い光沢保持率を示す。(2)塗膜表層部に2μm以上の顔料を含まないふっ素樹脂層が形成され、塗膜下層部に顔料を含んだポリエステルとふっ素樹脂の混合層が形成される硬化塗膜はQUV試験2000時間では、層間剥離は認められない。(3)沖縄県における18ヶ月間までの屋外暴露試験では、塗膜表層部に顔料を含まないふっ素樹脂層によって形成された硬化塗膜は、熱硬化形ふっ素樹脂粉体塗料の硬化塗膜より、高い光沢保持率を示している。既報と本報の実験結果から、塗膜表層には耐候性に優れるふっ素樹脂、下層には塗膜物性に寄与するポリエステルとふっ素樹脂の混合層で構成される二層分離形粉体塗料は、熱硬化形ふっ素樹脂粉体塗料を上回る優れた耐久性を示すと判断できる。
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© 2014 日本建築仕上学会
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