抄録
国内では,長期使用した建物や外部環境の影響を大きく受けた建物の外壁・仕上材が剥離剥落を伴う劣化を生じる状況が多くなりつつある。タイル仕上げ材は広く建物の外壁材として使用されたことからも,その課題が残されており,施工時環境の影響,下地表面処理である目荒しの問題や施工時間,天候などの外部因子要因,ならびに施工技術者の習熟度の影響などが関係している。そして,これらの施工時環境における要因を踏まえたモルタル付着力の関係は,不確定事項が多いままである。
本研究ではまず研究1として,外壁剥落事故に関わる調査報告書等から剥離剥落に関わる調査を行う。続いて,研究2では研究1を基に実際に発生した東京都内のタイル外壁仕上材剥離剥落調査を現地にて行い,施工状況資料から剥離剥落状況までを踏まえた原因究明を行う。研究3では,施工・使用時環境を考慮したコンクリート躯体の目荒しおよびモルタル下地処理等の実際の施工時環境を踏まえた変化を与え,最終的には予防保全型の維持管理の視点が得られるように改善点の提案を行う。