本報は施工後100年が経過した遺産的建造物の居室に使用されていたラス漆喰天井が剥離・剥落したものの劣化状態を評価したものである。採取したラス漆喰天井部材の状態としてはラスが錆びており装飾が施されていた為かなり厚みのある天井であった。このラスと漆喰が剥離した原因を解明するため、ラスと漆喰を蛍光X線と熱分析器で分析を行った。その結果ラスは防錆処理がされていなかったことが分かり、漆喰は完全に中性化していた事から、ラスは空気中の水蒸気などの影響を受けやすく腐食しやすい状態にあった。また、採取したラス漆喰天井部材は屋根側のラスが漆喰に完全に覆われておらずこれもまた剥離の原因になったのではないかと考え、検証実験を行うため模擬試験体を作製した。そして塗り性能評価を行った結果平ラスが漆喰天井の下地材としては最適であった事を報告する。