本研究で取り上げる逍遥園は,1939 年に建設された日式建築の1 つであり1),建設後80年を経て,構造体および仕上げ材の劣化が進行し,使用困難な状態からの復原工事が実施されている。本研究では,逍遥園の左官仕上げ部分の復原に着目し,現地で採取した当初材料の内外層の壁仕上げ部に対し,可能な範囲での復原性を確保するため,施工当初の配合及び工法と,仕上げ材料の化学的成分特性に基づく,色彩復原手法を検討し,実建物への復原工事を実施することを目的とする。研究の結果,台湾日式建築の歴史性を踏まえ,日本職人の材料・技能特性を踏まえた色彩復原工事を実施し,80年前の当初材料と同様の推定配合を元に内外装仕上材の復原が行え,将来の色彩劣化度の推定ができた。