現行の耐火性能検証法では火災区画内温度の上昇速度を表す指標として、区画内の可燃物の燃焼発熱、開口の大きさ、周壁(床や天井含む)の面積および熱慣性に応じて定まる火災温度上昇係数を用いている。このとき、周壁の熱慣性は常温時の熱伝導率、密度、比熱から求められるが、石膏ボードや木材などでは、火災加熱時に内部の水分の蒸発や熱分解が生じ、潜熱により周壁への吸熱が促進されるため、現行の算定方法では火災区画内温度の上昇速度を過大評価している可能性がある。そこで、本研究では、周壁の材料と開口条件をパラメータとした区画火災実験を実施し、区画内温度上昇速度の実測値から材料毎の熱慣性の実効値を推定した。