水産工学
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離岸堤背後域での播種アマモの長期変動
藤原 宗弘山賀 賢一吉田 吾郎寺脇 利信
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2006 年 43 巻 2 号 p. 173-177

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抄録
海岸防御を目的とした人工的な静穏域である離岸堤背後域(D.L.-2.5m)で,1997年12月にアマモ種子袋で播種し,発芽後,2005年3月まで継続してアマモの生長と成熟をモニタリングした。試験区内のアマモは,天然区と同様の季節消長を示したが,播種試験区外へはほとんど拡がらなかった。試験区のアマモは,株密度の減少が著しい時期が認められ,人工的な静穏域である本地点において,1)台風による厳しい波浪や砂面の変動(2001年,2004年),2)アイゴ等の植食性魚類による過剰摂食(1998年),3)浮遊性アオサ等の寄り藻(2002年)やハスノハカシパン,アナジャコ等による生育場所の競合(1998年〜2005年)等の条件が,近接する天然アマモ場よりも厳しいことが考えられた。
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© 2006 日本水産工学会
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