日本フットケア学会雑誌
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症例・実践報告
フットケア外来における「セルフケア自立支援3回プログラム制」導入の効果
江尻 加奈子森田 真麻
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2019 年 17 巻 3 号 p. 133-139

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抄録

【要旨】A病院のフットケア外来は,足のセルフケア自立に難渋した継続患者が多いことで新規患者の受け入れが困難であった.そこで,フットケア外来で足のセルフケア自立支援を重視した「初回足評価,2回目セルフケア指導,3回目総合評価の3回プログラム制」を導入した.導入前後の患者受診状況を診療録より後方視的に調査し,新規患者の受け入れと受診状況,プログラム導入後の足のセルフケア自立支援状況を明らかにした.フットケア外来を受診した新規患者数は,導入前6年間が70人,導入後2年間が62人であった.導入前後で患者属性(年齢,性別,足病変リスク分類)に有意差はなかったが,受診状況は平均受診回数(導入前12.0±12.0,導入後3.0±2.0)と転帰:中断と終了の比率(中断,導入前27人38.6%,導入後3人4.8%)に有意差があり,プログラム制導入後は同一患者の受診回数が少なく,中断率も低下していた.導入後のセルフケア自立支援では全体の3割に患者だけでなくサポート者等への指導や活用の提案をしていた.フットケア外来の「3回プログラム制」は,同一患者の受診回数,継続率を減少させ,患者の足のセルフケア自立に効果的であった.

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© 2019 日本フットケア・足病医学会
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