日本フットケア学会雑誌
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原著
訪問看護師が高齢者のフットケアについて感じていること ─実態調査の記述分析─
平尾 由美子小笠原 祐子
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2019 年 17 巻 4 号 p. 175-180

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抄録

【要旨】フットケア実施率向上への示唆を得ることを目的とし,訪問看護師による在宅療養高齢者へのフットケアに関する実態調査(2016年9月)の質問項目の1つである「在宅療養高齢者のフットケアについて感じていること」の自由記述回答を分析した.全国750か所の訪問看護事業所に対して郵送法により245施設(32.7%)から返送され,上記質問には122人から回答があった(回答率49.8%).質的記述的に分析し,319コードが得られ,【重要性・必要性】(88コード),【困難】(231コード)の2つのコアカテゴリーに分けられた.コード数が7割を占めた【困難】は,《療養者の要因》,《看護師の要因》,《環境の要因》のカテゴリーで構成された.《療養者の要因》から,在宅療養高齢者の医療処置を含むフットケアニーズの高まりが明らかとなった.在宅において,予防的フットケアの推進と同時に,医療的フットケアが実施可能な環境の整備の必要性が示唆された.

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© 2019 日本フットケア・足病医学会
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