日本フットケア学会雑誌
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足病変患者のリハビリテーション介入施設の現状 ~研修会参加施設へのアンケート調査を通して~
榊 聡子梅原 裕樹杉村 僚平藤森 一史寺部 雄太
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2019 年 17 巻 4 号 p. 197-201

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抄録

【要旨】末梢動脈疾患のリハビリテーションでは,Rutherford分類の1~3の間歇性跛行(intermittent claudication: 以下IC)においてエビデンスレベルも高く,リハビリテーションは治療の一つと定義されている.一方4~6の重症虚血肢(critical limb ischemia:以下CLI)では,リハビリテーションの有効性や安全性の報告は希少である.よってA病院をはじめとして,「足病変患者のリハビリテーション研究会」を発足し,さまざまな施設と研修会や多施設の研究活動を開始した.今回,我々の活動の一つである研修会「FREE conference」でアンケートを実施し,参加施設の現状を調査した.調査結果では血行再建術の件数に対しリハビリテーション介入件数はIC,CLIともに10%程度と少ないことが明らかとなった.CLIの治療はチーム医療が重要とされている.今回我々の調査では,11施設中8施設はフットケアチームとして活動しており,創傷治療医の診療科はさまざまであった.義肢装具士の介入状況は,11施設中8施設は義肢装具士が介入していた.今回の調査では,足病変患者に対してリハビリテーションが十分介入できておらず,各施設のフットケアチーム構成はさまざまであった.さらにリハビリテーション職種や義肢装具士がチームとして活動できていないことも明らかとなった.今後,研修会や研究活動を通して多くの人に興味をもってもらい,足切断の予防に向けた活動を行いたいと考える.

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© 2019 日本フットケア・足病医学会
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