抄録
2000年代に入り、生産森林組合(以下、生森)の解散が増加、解散後の組織としては認可地縁団体が最も多い。生森が解散した後の森林施業の動向はよく分かっていない。2010年と2015年の農林業センサスの個票を再集計することで、2010年には生森で、2015年には生森以外の法人または非法人となった林業経営体(以下、解散生森)を抽出し、2010年・2015年ともに生森の林業経営体と施業実施率の比較を行った。その結果、以下のことが分かった。①抽出された解散生森の数は、2010~2015年に減少した生森の数の約3分の2に相当する数である。②解散生森の森林施業計画作成の比率、何らかの施業を実施した比率、素材生産の実施率は、生森を継続している林業経営体より高い傾向にある。③施業別にみると、植林、利用間伐、主伐において、解散生森の施業実施率が高い。④この時期、解散生森の半分弱が九州地域の生森である。⑤解散生森の施業実施動向には地域差がみられる。なお、2005年以降のセンサスは外形基準を満たす林業経営体に関する調査のため、本分析結果は生森解散後の森林施業実施動向全体を捉えるものではないが、センサスを利用することで生森解散後の森林施業動向をある程度把握可能なことが分かった。