抄録
本論は,木材価格の循環的変動と景気変動の関係を分析したものである。木材価格として,昭和28年より昭和54年までの日銀木材卸売価格指数の月別時系列データを用いた。その結果,次のようなことがわかった。
(1)木材価格の循環的変動は,景気の短期変動と関係がある。
① 木材価格の循環変動(原系列より趨勢・季節変動を除去)の山は景気に対し先行し,谷は景気に対し遅行する。
② 木材価格の対前年同月比(1つの循環的変動)の山は景気に対し先行し,谷は景気とほぼ一致する。
③ 木材価格の周期は景気の周期とほぼ一致する。①,②により木材価格の上昇期間は景気の上昇期間に比べて短い。
(2)木材価格の対前年同月比は累積先行景気動向指数(累積先行D・I)と山・谷ともかなり一致する。最近10年間は山・谷ばかりか水準も相当一致し,景気動向指数は木材価格の短期変動を予測する手がかりとなる。
(3)戦後の木材価格の変動は昭和40年頃を境に2分できる可能性がある。また,木材価格にはコンドラチェフの長期波動の逆サイクルに近い長波が存在する可能性がある。