2004 年 3 巻 p. 19-45
個別に経時測定データが得られた複数の個体が一つのグループを成しているような成長データにランダム効果を伴った多変量非線形回帰モデルを成長曲線モデルとして用いれば、グループの平均成長曲線とそれぞれの個体における成長曲線を同時に推定することができる。林分の成長データに関して言えば、そのようなモデルの適用により、林分の平均成長曲線と林分内の個々の林木に対する成長曲線を同時に記述することが可能となることになる。本論文では、ランダム効果を伴った多変量非線形回帰モデルの一つである、一般化非線形混合効果モデルを成長曲線モデルとして用いた林分成長解析法とその推定手法を紹介する。