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FAO の森林資源統計, 林産物統計への各国報告状況
岡 裕泰
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2009 年 8 巻 p. 63-91

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抄録

世界の森林資源と林産物市場を統合した世界モデルの基礎としてのFAO の森林資源統計(2005 年版) および林産物統計(2006 年版) の報告状況について分析した. 世界森林資源評価FRA2005 では森林蓄積量や蓄積変化について報告している国は数の上では7 割程度だが, それらの森林面積の合計は世界の森林面積の9 割弱に相当する. また産業用材生産量については世界の森林面積の約99% をカバーする国々について何らかの統計値が報告されているが, 生産量の記載されている値の内のほぼ半数が自国からの報告値で,残りの半数はFAO 等による仮の推定値である. ただし量的に見ると報告されている生産量の約3/4 は自国からの報告値であり, 先進国の大部分では自国からの報告が採用されている. これに対して, 途上国の生産量についてはFAO 等による推定値が件数, 合計数量ともに多いことが確認された. こうした事実は薪炭材を除く世界の木材需給の7 割余りを占める先進国を中心とした需給推計の基礎を与えてくれるが, 途上国での木材需給の推計を困難にしている.

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