直下型の航空機レーザー測距で林冠断面を計測し, 毎木調査結果と対応させて広範囲の林分蓄積量等を推定する場合, レーザーが切り取る垂直方向の林冠断面は立木の中心を通過しているとは限らないため, 樹冠形状や立木密度によってはその林分を代表する標本断面とはなっていない可能性がある. そこで単木単位で樹冠断面から推定される樹冠投影立体体積の期待値を理論的に考察すると, 樹冠形状に関わらず推定に偏りはないものと考えられた. ただし推定値のばらつきは林冠閉鎖度が疎になるほど, また樹冠形状が先細りになるほど大きくなることが示唆された.