日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
総説
PPARsの生理·薬理機能
高橋 信之河田 照雄
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 117 巻 5 号 p. 319-327

詳細
抄録

ペルオキシソーム増殖薬応答性受容体(peroxisome proliferator-activated receptors:PPARs)は, 発見当初リガンドが不明ないわゆるオーファン受容体であった.しかし, そのリガンドが薬理的な作用, 特にフィブラート系薬剤のごとく中性脂肪低下作用などの脂質代謝, さらにはチアゾリジン誘導体のごとくインスリン抵抗性の改善による糖質代謝にまで広範で顕著な効果を示すことが判明して以来, 急速な研究の進展を見せた.その結果, 生活習慣病発症と関連する内分泌·代謝さらには血管機能や炎症などの循環器系や発がんの調節機構にも関わる多機能で主導的役割を有する重要な受容体として位置づけられるようになってきた.ここではPPARsの構造や生理機能, リガンドと薬理機能, さらにヒトゲノム解析と疾患などについて概説する.

著者関連情報
© 2001 公益社団法人 日本薬理学会
次の記事
feedback
Top