日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
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シリーズ:ポストゲノムシークエンス時代の薬理学
モデル生物:マウスを用いたゲノムDNA解析
村上 学
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2005 年 125 巻 4 号 p. 209-212

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抄録
20世紀後半における遺伝子組換え動物作製法の開発により,遺伝子の機能を解析するために,遺伝子組換え動物,特にマウスを用いることが一般的になった.遺伝子の機能に注目して遺伝子組換えマウスを考える場合,既製のマウスを導入する場合と,新しくマウスを作製する場合では相当の違いがある.既製のマウスを導入する場合はSPF飼育における検疫が重要である.少人数のグループが新しくマウスを作製する場合は,限られた設備,予算を有効に使うために競争を避け,解析する遺伝子の選択,研究計画の進め方を熟慮する必要がある.個々のマウスの解析法は,遺伝子組換え動物作製法に比べ,遅れている.日本国内には効率よい機能解析のために,個体動物解析手法データベースがあり,いっそうの充実が望まれる.共同研究を行う時は多面的解析の研究レベルを維持する努力が重要である.
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© 2005 公益社団法人 日本薬理学会
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