日本薬理学雑誌
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治療薬シリーズ (1) うつ病
うつ病治療の現場から(治療薬の問題点と望まれること)
白山 幸彦
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2006 年 127 巻 3 号 p. 209-212

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抄録
うつ病の症状は,軽症から重症だけでなく,その内容も多岐にわたり,反応する薬物も様々である.抗うつ薬はセロトニンまたはノルピネフリンを介して治療効果を上げていると考えられているが,うつ病自身の原因はそうではないようである.第一選択薬が無効であった場合,第二選択薬は注意を要する.その決定に際して,ガイドラインは有用である.その運用に当たっては機械的にならず,その選択理由を考えることが大事である.また,その判断基準に客観的な治療マーカーを見出していくことが重要な課題である.コルチゾール,デヒドロエピアンドロステロン,テストステロン,の血中濃度はそれ自身の値だけでなく,比を取ることでさらに強力な治療マーカーとなる可能性を有すると考えられる.
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© 2006 公益社団法人 日本薬理学会
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