日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(3)その1:化合物を医薬品にするために必要な安全性試験
安全性薬理試験
山本 恵司
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2007 年 130 巻 4 号 p. 299-303

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抄録
医薬品の有害作用は非臨床においては主として動物を用いる毒性試験によって評価されるが,特に急性の薬理作用に基づく生体の機能変化は,通常の毒性試験では明らかとはならない場合がある.安全性薬理試験の目的は,ヒトの安全性に関連のあると思われる被験物質の望ましくない薬力学的特性を特定し,その用量(濃度)反応関係を特徴づけること,ならびに毒性試験や臨床試験で認められた被験物質の有害な薬力学的作用の機序等を検討することである.中でも,ヒトに初めて投与される前に,心血管系,呼吸器系および中枢神経系に対する薬物の有害な作用を非臨床で評価し,臨床試験を開始するにあたって必要な急性の薬理作用に関する情報を提供することは極めて重要である.
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© 2007 公益社団法人 日本薬理学会
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