日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(3)その2 化合物を医薬品にするために必要な安全性試験
医薬品GLP調査の国際的必要性
西村(鈴木) 多美子
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キーワード: GLP, GLP調査, OECD
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2007 年 130 巻 5 号 p. 408-411

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抄録
わが国の医薬品GLP試験施設のレベルは世界のトップクラスであり,わが国は医薬品GLP試験データの輸出国の1つである.医薬品GLPは医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施のための基準であり,OECD-GLPに準じて制定されている.GLP試験データは新医薬品の開発を進めるかどうかの判断の1つであるので,データの品質と信頼性を確保するために既定されたGLPのソフトとハードのシステムに則って試験を実施することが求められている.新医薬品の承認申請のためのGLP試験は,基準への適合性を医薬品医療機器総合機構(総合機構)で調査される.そのため,GLP制定の経緯,わが国のGLP調査およびGLP調査を受ける際の注意点,さらに,総合機構の今後の取り組み等について解説した.わが国で実施されたGLP試験データが,わが国発の新医薬品の開発に繋がり,病気で苦しむ世界の患者の方々を救い続けることに期待している.
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© 2007 公益社団法人 日本薬理学会
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