日本薬理学雑誌
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特集:未病治療へ向けての薬理学的展開
食品成分による脳機能調節作用の可能性
間宮 隆吉喜瀬 光男森川 桂子鵜飼 良
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2008 年 131 巻 4 号 p. 244-247

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抄録

最近は一時に比べ,健康食品ブームもようやく落ち着いてきた.しかし充分な検証もないまま効能だけが一人歩きし,あたかも医薬品以上の効果があるかのように謳う商品が未だに存在することは由々しきことである.そうした商品が世の中にあふれるのは,マスコミなどメディアの過剰な報道によることと同時に,充分な検証がされていないことにも問題があると思われる.大雑把に言えば,ヒトや動物が口に入れるもののうち医薬品(医薬部外品)でないものが健康食品で,そのうち特定保健用食品と栄養機能食品については国が基準を定めている.医薬品(医薬部外品)が発売されるまでには動物やヒトを用いた基礎および臨床研究によって十分な効果を実証し(その上で毒性試験など)厳しい審査基準をクリアしなければならないが,そのほかのものは医薬品と比べると厳しくない.我々は食品についても十分な基礎薬理学的な検討が必要と考え,いくつかの食材や食品について行動薬理学的に検討してきた.ここでは日本人の主食であるコメおよびコメに含まれる成分に着目しマウスにおける効果を薬理学的に検証したのでその一部を報告したい.

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© 2008 公益社団法人 日本薬理学会
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