日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(4) 化合物を医薬品にするために必要な薬物動態試験(その2) 分布(1)(2)
中枢への薬物分布におけるトランスポーターの機能と役割
大槻 純男
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2009 年 134 巻 2 号 p. 83-86

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抄録
脳,網膜,胎盤や精巣は関門機構が存在する組織である.このような組織では薬物の分布にトランスポーターが大きく関わっている.中枢への薬物分布には,脳毛細血管内皮細胞で構成される血液脳関門に発現するトランスポーターが重要な役割を果たしている.血液から脳への供給輸送に関わるトランスポーターに薬物が認識されることによって中枢への分布が促進される.一方で,脳から血液への排出輸送に関わるトランスポーターに認識されることによって中枢への分布が制限される.本総説では,中枢への薬物分布に関わる血液脳関門のトランスポーターの機能と役割に関する最新の知見,およびトランスポーター機能の評価法について紹介する.
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© 2009 公益社団法人 日本薬理学会
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