日本薬理学雑誌
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総説
動物実験の第三者評価(外部検証)制度
佐神 文郎
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2010 年 135 巻 2 号 p. 71-75

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抄録
2005年に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」に,動物実験における3R(Replacement,Reduction,Refinement)の国際原則が明文化され,翌年,改正動物愛護法の施行と同時に,文部科学省(文科省),厚生労働省(厚労省),農林水産省(農水省)の「動物実験に関する基本指針」や日本学術会議の「ガイドライン」が発出された.これまで,わが国において普及している,動物実験の各研究・試験機関による自主管理の内容の客観性を保証し,実効と信頼性を一段と強めるために,日本学術会議の提言(2004年)による,これらのガイドラインの実効を担保するための動物実験実施施設の第三者評価制度が検討され,スタートした.本稿では本制度設立への背景と経緯,そして(社)日本実験動物協会(日動協)による実験動物生産者事業者等を対象とした「第2期実験動物生産施設等福祉調査」,国立大学法人動物実験施設協議会(国動協)と公私立大学実験動物施設協議会(公私動協)による大学等を対象とした「動物実験に関する相互検証プログラム」および財団法人ヒューマンサイエンス振興財団(HS財団)による厚労省所管の研究所や企業を対象とした「動物実験実施施設外部評価・検証事業」の概要について紹介し,その背景と現状,そして今後の課題について考えた.
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© 2010 公益社団法人 日本薬理学会
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