抄録
動物細胞は,様々な浸透圧変化による細胞容積変化に対応するための調節機構を保持している.その解明には1個の細胞容積を経時的に測定できるシステムが不可欠である.現在までに,ビデオ画像解析法,蛍光イメージング法,コールターカウンター法,走査型イオンコンダクタンス顕微鏡などが開発されてきた.このうち,我々が用いているビデオ画像解析法は,簡便なシステムで高い測定精度と時間分解能が得られ,パッチクランプ実験との併用も容易である.我々は,顕微鏡に装着したCCDカメラで細胞のビデオ画像を撮影し,そのビデオ画像を画像解析ソフトScion-Imageを用いて解析することにより,単一心室筋細胞における細胞容積の経時変化を定量的に評価している.本稿では,各種細胞容積測定法の概略を説明し,ビデオ画像解析法を用いた心筋細胞の容積変化の経時的解析の具体例を紹介する.