2011 年 137 巻 6 号 p. 237-240
発症24時間以内の脳梗塞患者(ラクナ梗塞,アテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症)180名と,年齢と性をマッチングした健常者172名を対照とし,100項目の血中タンパク質マーカーの経時的測定と新規マーカー探索を実施した.脳梗塞各病型に特異的あるいは共通する多くのマーカーが見出され,脳梗塞の病態解明に有用であることが期待される.さらにサル脳梗塞モデルを用いて,臨床データとの類似点や相違点を明確にすることができた.臨床バイオマーカーの探索結果をもとに,動物実験や細胞実験といった基礎研究でその機能を検証するreverse translational researchは,脳梗塞の病態解明に有用であるとともに,新たな脳梗塞治療戦略の構築に有意義であると考えられた.