日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(5)トランスレーショナルリサーチ(20)(21)
脳梗塞バイオマーカー探索研究REBIOS(Research for Biomarkers in Ischemic Stroke)における成果と今後 —Biomarkerを用いたreverse translational researchを中心に—
鈴木 一夫北園 孝成
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2011 年 137 巻 6 号 p. 237-240

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抄録

発症24時間以内の脳梗塞患者(ラクナ梗塞,アテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症)180名と,年齢と性をマッチングした健常者172名を対照とし,100項目の血中タンパク質マーカーの経時的測定と新規マーカー探索を実施した.脳梗塞各病型に特異的あるいは共通する多くのマーカーが見出され,脳梗塞の病態解明に有用であることが期待される.さらにサル脳梗塞モデルを用いて,臨床データとの類似点や相違点を明確にすることができた.臨床バイオマーカーの探索結果をもとに,動物実験や細胞実験といった基礎研究でその機能を検証するreverse translational researchは,脳梗塞の病態解明に有用であるとともに,新たな脳梗塞治療戦略の構築に有意義であると考えられた.

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© 2011 公益社団法人 日本薬理学会
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