日本薬理学雑誌
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新薬紹介総説
イルベサルタン/アムロジピン配合錠(アイミクス®配合錠)の薬理作用および臨床効果
森 雅哉高橋 紫乃
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2013 年 142 巻 1 号 p. 39-46

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抄録

アイミクス®配合錠は,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であるイルベサルタン(以下,IRB)100 mgとカルシウム拮抗薬(CCB)であるアムロジピン(以下,AML)5 mgまたは10 mgを含有する高血圧症治療用配合錠である.CCBは主としてL型カルシウムチャネル阻害作用による血管平滑筋の収縮抑制に基づく降圧効果を示す一方,圧受容器反射を介して交感神経系を活性化させる.その結果,レニン-アンジオテンシン系(RAS)が賦活され,強力な昇圧物質であるアンジオテンシンIIの産生が増大する.一方,ARBはアンジオテンシンIIの作用を受容体レベルで抑制することから,CCBとARBの併用で各単剤を上回る降圧効果が期待される.高血圧自然発症ラットを用いて降圧作用を検討したところ,IRBとAMLの併用投与により各単剤投与と比較して降圧作用が増強された.従って,CCBとARBの併用は降圧作用増強の点において合理的なアプローチであることが明らかとなった.IRB 100 mgまたはAML 5 mg単剤投与で降圧効果不十分な本態性高血圧症患者を対象とした後期第II相試験で,IRB/AML併用群のトラフ時坐位収縮期血圧下降量は各単剤投与群に比べて有意に大きく,IRBとAMLの併用の有用性が立証された.アイミクス®配合錠の長期投与試験(52週)において,単剤で報告されている以外の新たな副作用は認められなかった.また,アイミクス®配合錠HD(100 mg/10 mg)の浮腫の発現割合はすでに報告されているAML 10 mg単剤での発現割合より低かった.以上より,アイミクス®配合錠はIRBまたはAMLの単剤投与で効果不十分な患者の新たな治療選択肢として有用であると考える.また,腎保護作用を有するIRBと脳・心保護作用を有するAMLとの配合錠であることから,多面的な効果も期待でき,降圧治療に寄与できるものと考える.

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