日本薬理学雑誌
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特集 予測・意思決定・情動の脳内計算機構―セロトニン研究の新展開―
背側縫線核セロトニン神経による情動調節機構―抗うつ薬の作用機構の解析から―
永安 一樹金子 周司
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キーワード: セロトニン, 抗うつ薬
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2017 年 149 巻 1 号 p. 44-47

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抄録

セロトニン神経は,黒質線条体路・中脳辺縁系のように投射元-投射先の関係が概ね1対1対応しているドパミン神経と異なり,多対多対応しており,このことがその機能解析の大きな足かせとなっている.本稿では,投射元の一つである背側縫線核に的を絞り,薬物の局所注入や,急性単離切片における電気生理学的解析,セロトニン神経機能をin vitroで解析できる縫線核脳切片培養系を用いて,治療抵抗性うつ病に対して治療効果を有する化合物が背側縫線核のセロトニン神経機能にどのような影響を与えるのかを概説する.その上で,うつ病や不安などの情動調節におけるセロトニン神経の機能を,神経回路レベルで解き明かすために今後必要となるであろうツールについても述べたい.

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© 2017 公益社団法人 日本薬理学会
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