マイクロミニピッグは富士マイクラ株式会社によって生産されているミニブタで,解剖学的・生理学的特徴,雑食性,昼行性などの面でヒトと類似していることから薬理学・創薬研究結果のヒトへの外挿性が期待されている.体重は6ヵ月齢で10 kg程度と取り扱いも容易で犬舎での飼育も可能である.被験物質量も少なくて済む.ブタ白血球抗原(swine leukocyte antigen:SLA)も個体ごとに決定されており,免疫反応に関する研究にも有利である.代謝酵素やトランスポーターの研究も進み,ヒトとの類似性も示されていることからトキシコキネティクス研究でも利用が期待される.医薬品等の安全性評価においても,反復投与毒性試験,胚・胎児発生試験(抗体医薬品の評価は除く),安全性薬理試験などにおいて有用な動物となる.本稿では,マイクロミニピッグの基礎的特性とともに,薬理学的研究,創薬研究,安全性評価研究での有用性について述べる.