2020 年 155 巻 3 号 p. 155-158
Histidine-rich glycoprotein(HRG)は主に肝臓で産生される約75 kDaの血漿糖タンパク質で,ヒト血漿中に60~100 μg/mlの比較的高濃度で存在する.これまでの研究により,HRGは様々な凝固・線溶・免疫・炎症関連物質や細胞に結合し,敗血症病態時の生体反応調節を行っていることが明らかとなっている.したがって,血漿HRGレベルの低下は,凝固・線溶系や免疫系の調節不全を引き起こし,最終的に敗血症性の播種性血管内凝固症候群や多臓器不全を誘発する.本稿ではHRGの生理的機能とHRGの敗血症マーカー・治療薬としての可能性に焦点を当て解説する.