日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(8)創薬研究の新潮流(47)
心血管系の安全性薬理:in vitroにおける戦略と技術・評価の向上について
吉永 貴志
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2021 年 156 巻 5 号 p. 297-302

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抄録

安全性薬理試験は,医薬品規制調和国際会議(ICH)での議論を通して明確な定義付けがなされ,臨床試験に参加する被験者の安全を確保するために,非臨床試験としてICH S7A及びS7Bガイドラインに従い実施される.心血管系のin vitro試験の代表はhERGアッセイであるが,FDA/HESIによるCiPAの提言(hERG以外のイオンチャネルも評価するマルチイオンチャネル評価,そのデータを用いたインシリコモデルでのシミュレーション,ヒトiPS細胞由来心筋細胞アッセイ)のように,非臨床データを有効活用する新たな臨床リスク予測戦略が立てられようとしている.また,社会的な問題として注目されている抗がん薬による心不全誘発リスクについても,ヒトiPS細胞由来心筋細胞を中心に技術開発がなされている.解決すべき課題は少なくないが,臨床と非臨床の橋渡しとなるべく,積極的なチャレンジがグローバルに行われている.

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