日本薬理学雑誌
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特集:情動調節を担う脳内神経伝達機構の新展開
扁桃体中心核のニューロンは社会行動および個体間距離を制御する
征矢 晋吾
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キーワード: 扁桃体, 社会行動, NPBWR1
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2022 年 157 巻 6 号 p. 440-442

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抄録

扁桃体中心核(central nucleus of the amygdala:CeA)は,情動の出力に関わる脳部位であることが知られており,特に恐怖行動との関連について報告されてきた.しかし,近年の技術革新により,CeAは様々な遺伝子発現を持つニューロン集団が混在し,恐怖応答に加えて摂食行動や不安行動,痛みの制御などに関与することが明らかになってきている.一方,CeAにおいてニューロペプチドB/W 1型受容体を発現するニューロン(NPBWR1ニューロン)が局在することが報告されていたが,その機能については未解明であった.本稿ではCeAに局在するニューロンの機能について最新の研究内容を取り上げながら,新たに社会行動を制御するNPBWR1ニューロンの検証を行った筆者らの研究も含めて概説する.

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© 2022 公益社団法人 日本薬理学会
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