日本薬理学雑誌
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特集:情動ストレス応答から探る新規治療標的
メスマウスを用いたうつ様行動の新しい評価法
吾郷 由希夫浅野 智志
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2023 年 158 巻 1 号 p. 35-38

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抄録

うつ病は,抑うつ気分や,興味または喜びの著しい喪失を主症状とする精神疾患である.齧歯類を用いたうつ病の病態研究や創薬研究では,強制水泳試験や尾懸垂試験といった行動学的手法が広く利用されているが,動物に対して強い身体的ストレスが加わるもので,厳密には動物の抑うつ状態だけではなくストレス抵抗性の要素も評価結果に含まれている.意欲低下は,うつ病を含む精神疾患の重要な指標であり,我々は,マウスにおける報酬探索行動の新しい評価法として,オスマウスのメスマウスとの遭遇テスト,すなわちメス選択性試験を開発してきた.一方,女性のうつ病の有病率は,男性に比べ約2倍高いことや,産後うつ病など女性特有の疾患があることから,モデル動物の作製ならびにその評価には,メスマウスを用いた検討が必要である.本稿では,メスマウスを被験マウスとして改変した“オス選択性試験”に関する我々の研究成果についてまとめ,また最近注目される産後うつ病治療薬や,そのモデル動物に関しての新しい知見を紹介する.

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