日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
特集:RANKL 分子を介した骨代謝制御,その生理・病理・薬理
RANKLと歯周病
安藤 雄太郎塚崎 雅之
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 158 巻 3 号 p. 263-268

詳細
抄録

歯周病は,口腔細菌に対する炎症応答および,それに続発して起こる歯の支持骨破壊を特徴とする.その罹患率は非常に高く,成人の歯の喪失の最大の原因となっている.近年,歯周病における骨破壊には,骨芽細胞や歯根膜線維芽細胞が産生するreceptor activator of NF-κB ligand(RANKL)が必須であることが明らかになった.このRANKLの誘導には免疫系の活性化が重要な役割を果たしている.本稿では,骨免疫分子RANKLに着目し,歯周病による骨破壊の分子メカニズムについて,我々の研究成果や最新の知見を交えながら概説する.

著者関連情報
© 2023 公益社団法人 日本薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top