日本薬理学雑誌
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特集 将来の展望:機能形態学の融合が生物階層の理解に新たな地平を開く
肝臓におけるIL-19の意義:炎症・代謝・線維化のクロストーク
三谷 優剛, 藤田 隆司, 東 泰孝
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キーワード: IL-19, NASH, 肝線維化, 脂質代謝
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2026 年 161 巻 1 号 p. 11-14

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抄録

インターロイキン(IL)-19はIL-10ファミリーに属する抗炎症性サイトカインで,従来は炎症性腸疾患や皮膚炎などで抗炎症作用を発揮することが知られてきた.しかし肝疾患における知見は乏しい.本研究では,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)モデルマウスを用い,IL-19の病態制御作用を解析した.特注したCDAHFD食を給餌したところ,IL-19遺伝子欠損マウスでは野生型マウスに比べ体重回復の遅延,炎症細胞浸潤や線維化の進展が顕著であり,肝障害マーカーや炎症性サイトカインの上昇も確認された.またIL-19は肝臓で主にクッパー細胞により産生され,肝細胞に作用してSTAT3を介したシグナルを活性化し,脂質合成遺伝子を抑制するとともにATP産生やPPARα活性化を促進した.その結果,脂肪酸をエネルギー代謝へと傾斜させ,脂質蓄積や細胞障害を軽減した.これらの所見は,IL-19が脂肪変性および線維化の進展を抑制する病態制御因子であることを示唆する.今後は脂肪肝モデルと線維化モデルを組み合わせた検証や,バイオマーカー・治療標的としての臨床的意義の解明が課題である.IL-19研究は,これまで解明されていなかった肝疾患領域に新たな治療戦略をもたらす可能性がある.

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