日本薬理学雑誌
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新薬紹介総説
片頭痛の急性期治療・予防を目的とした経口CGRP受容体拮抗薬リメゲパント(ナルティーク®OD錠)の薬理学的特徴及び臨床試験成績
石川 智史諸田 沙織時 ベイニ李 銀華飯島 正博
著者情報
ジャーナル オープンアクセス HTML

2026 年 161 巻 4 号 p. 280-290

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要約

片頭痛は世界で約10億人が罹患する頻度の高い神経疾患であり,精神的及び社会的負担は大きく,疾患負荷が極めて高い.片頭痛の治療は急性期治療と予防療法に大別され,従来の急性期治療薬には心血管系リスクに関する禁忌や副作用等の課題,従来の予防療法薬には効果発現までに時間がかかることや副作用等の課題があった.リメゲパントは経口投与可能な低分子カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬であり,急性期治療と予防療法の両方に用いられる点が特徴である.非臨床試験では,リメゲパントはCGRP受容体に対して高い親和性を示し,冠動脈及び頭蓋内動脈に対する収縮作用は認められなかった.臨床試験でも心血管系リスクを示唆する所見はなく,リメゲパントはトリプタンのような血管収縮作用の懸念は低い.第Ⅰ相試験では日本人健康成人でも速やかな吸収が認められ,急性期治療における速やかな効果発現を支持する.半減期は約10時間と急性期治療薬として比較的長く,効果の持続を支持する.予防療法の観点からは,既存のCGRP関連抗体薬がいずれも注射剤であるのに対し,本薬は口腔内崩壊(OD)錠による経口投与が可能である.薬物相互作用試験では,スマトリプタンと併用したとき,リメゲパント及びスマトリプタンの薬物動態に意味のある変化や血圧の上昇は認められず,リメゲパントとトリプタンとの併用が可能である.片頭痛患者を対象とした国内外の複数の臨床試験で急性期治療としてのリメゲパントの有効性と安全性が確認され,更にリメゲパントの隔日投与による予防療法は1ヵ月あたりの片頭痛日数を有意に減少させた.中枢系副作用を示唆する症状は限られ,便秘の発現割合も低い.良好な安全性プロファイルに加え,急性期治療と予防療法を同一剤形で柔軟に使い分け可能な点は,患者の病態に応じたシームレスかつフレキシブルな治療戦略を可能にし,片頭痛治療の新たな選択肢として臨床的意義が高い.

Abstract

Migraine is a highly prevalent neurological disorder and is associated with substantial mental, social, and disease burden. Current migraine management comprises acute and preventive treatments; however, conventional acute and preventive medications have been associated with challenges such as contraindications, a delayed onset of efficacy, and adverse drug reactions. Rimegepant is an orally available small molecule calcitonin gene-related peptide (CGRP) receptor antagonist uniquely approved for both acute and preventive treatments. Nonclinical studies have demonstrated its high affinity for the CGRP receptor without inducing vasoconstriction in coronary or intracranial arteries. Consistent with these findings, clinical studies have shown no signals suggestive of cardiovascular risk, indicating a low concern for vasoconstrictive effects as triptans. In Phase 1 studies in healthy Japanese adults, rimegepant showed rapid absorption, supporting a rapid onset of action in acute treatment, and relatively longer half-life (10 h), supporting sustained efficacy. From a preventive perspective, while existing CGRP monoclonal antibodies are administered as injectable formulations, rimegepant can be administered orally as an orally disintegrating (OD) tablet. Drug–drug interaction studies demonstrated co-administration of rimegepant with triptans is possible due to a lack of clinically meaningful blood pressure elevation or pharmacokinetic interactions. Multiple clinical trials have confirmed the efficacy and safety of rimegepant for acute treatment, and every other day (EOD) dosing significantly reduced monthly migraine days. In addition to its favorable safety profile, the flexible use of the same formulation for both acute and preventive treatments represents a clinically meaningful, new option in migraine treatment.

1.  はじめに

片頭痛は世界で約10億人の罹患が推定され,わが国における有病率は8.4%と報告されている1,2.性別では女性で男性の3倍以上の有病率が報告され,年齢階層別では20~40歳代の患者が多いとされる2.このように本疾患はcommon diseaseと同時に致死性疾患ではないものの,とくに生産年齢の患者にもたらす精神的・社会的影響は大きく,職場や家庭で理解を得られないことによる様々なスティグマ(社会的偏見や差別)の存在が指摘されている.これには片頭痛に対する周囲の誤解を背景とする厳しい目(たかが頭痛,薬を服用すれば大丈夫では?),不十分な職場環境,更に周囲から自分の疾患や負担を理解されない経験は自己否定から不安障害やうつ症状のリスクとともに,患者の受診意欲をも減退させうる.また,障害を抱えQOLが低下した状態での生存期間を反映する健康状態の指標のひとつであるYLD(years lived with disability,障害生存年数)を評価した世界規模の調査で片頭痛は全疾患のなかで第2位であり,とくに16歳から40歳における女性では第1位に位置づけられる3

片頭痛の診断は国際頭痛分類に基づき行われ,現在は改訂第3版(ICHD-3)が国内外とも用いられている4.ここでは前兆を伴う片頭痛と前兆を伴わない片頭痛に大別され,前兆を伴うものは約1/3とされ,前兆を伴わない片頭痛が優位である.なお,前兆とは片頭痛発作の頭痛が起こる60分前~直前に生じる完全可逆性かつ異常な神経症状を指す.ほとんどが視覚前兆であるが,感覚前兆や言語前兆を伴う患者もいる.前兆の前には頭痛の数時間~数日前から現れる予兆を自覚する患者がみられ,肩こり,全身倦怠感,食欲の変化などを訴えることがある.また,片頭痛を含む頭痛が月に15日以上,かつ3ヵ月を超えて継続し,そのうち少なくとも8日以上が片頭痛の特徴を伴う状態は慢性片頭痛と定義され,これは日常生活に多大な支障をきたすとともに治療抵抗性を伴うとされる4,5

片頭痛の治療は急性期治療と発症抑制療法(予防療法)に大別される5.急性期治療は頭痛発作が起こった際に適宜服用することで,頭痛の軽減・消失を目指す頓挫治療である5.一方,予防療法は頭痛発作のタイミングとは関係なく間欠的かつ継続的に用いる治療法で発作頻度や頭痛強度の減少を目指す5.日本の頭痛診療ガイドラインによる従来型の急性期治療は頭痛強度による使い分けが提示されており,軽~中等度の頭痛にはNSAIDs,中等~重度又は軽~中等度の頭痛でもNSAIDsの効果がない患者にはトリプタンが用いられる5.一方でトリプタンには非反応群(non-responder)の存在が知られるとともに,血管収縮作用のため心血管系疾患を有する患者などには使用できないことが課題である.この課題に対しラスミジタンは血管収縮作用を有さないことからトリプタン不耐の患者に用いられるが,中枢症状であるふらつきなどの症状への留意が望ましい5,6

一方,従来型の経口予防薬は,他の疾患の治療薬を片頭痛に転用したものであり,効果発現に時間を要する点や,一部に催奇形性や眠気などの副作用が課題とされる5,7.それに対して2018年(国内では2021年)に登場したカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)関連抗体薬は,三叉神経血管説に基づく病態において,硬膜血管の拡張とそれに伴う神経原性炎症,更に疼痛シグナル伝達という主要な役割を担うCGRPを阻害する生物製剤である7,8.国内では現在,2剤のリガンドを標的とする薬剤と1剤の受容体を標的とする薬剤が上市され,いずれも片頭痛の発症抑制を適応症として,厚生労働省の最適使用推進ガイドラインによる医師と施設要件のもと使用されている911.CGRPの阻害は片頭痛の治療に大きな役割を担い,治療のゴールを大きく引き上げることとなった.本稿で紹介するリメゲパントは低分子のCGRP受容体拮抗薬(ゲパント系)である.既存のCGRP関連抗体薬がいずれも注射剤であるのに対し,本薬は口腔内崩壊(orally disintegrating:OD)錠による経口投与が可能である.さらに,従来の薬剤が急性期治療と予防療法という2つのカテゴリーのどちらかにしか属さなかったのに対し,両方の適応症を有する初めての薬剤である8.すなわち,片頭痛発作時の急性期治療を目的とする頓服と,予防療法を目的とした隔日投与(every other day:EOD)が可能であり,また1日あたりの総投与量が75 mg(1錠)を超えない範囲での予防療法と急性期治療の両立が可能である8.本稿ではリメゲパントの非臨床試験及び臨床試験について解説する.

2.  薬理学的特徴

1) 作用機序

CGRPは37個のアミノ酸からなる内因性ペプチドであり,疼痛を伝達する求心性の侵害受容線維に主として局在し,三叉神経に活動電位が伝わることで放出されるCGRPの受容体への結合が,片頭痛の病態に重要な役割を果たすと考えられている.また,片頭痛発作中に血清中CGRP濃度が上昇していること12,CGRP濃度を正常に回復させることにより疼痛が軽減すること13,CGRPの静脈内投与により持続的な疼痛が誘発されること1416などの臨床的知見から,CGRPが片頭痛の病態生理に関与していることが示唆されている17,18

リメゲパントはCGRPの受容体への結合を阻害することにより,CGRPによって誘発される神経原性の血管拡張阻害(頭蓋内動脈の正常化)及び神経原性炎症カスケード(末梢性・中枢性感作の原因となる)の遮断,並びに三叉神経尾側核における三叉神経からの上行性痛覚信号の伝達阻害により片頭痛を軽減させると考えられている18,19図1).

図1 リメゲパントの作用機序

リメゲパントがCGRPの受容体結合を阻害することにより,①CGRPにより誘発される神経原性血管拡張の阻害とそれによる頭蓋内動脈の正常化,②CGRPにより誘発される神経原性炎症のカスケード(末梢及び中枢性感作)の遮断,③三叉神経から三叉神経尾側核へ至る疼痛の中枢内信号伝達の阻害作用により,片頭痛の諸症状を軽減させると考えられている.(ナルティーク®総合製品情報概要より転載)

2) CGRP受容体に対する高親和性の競合的拮抗作用(in vitro)

ヒトCGRP(hCGRP)を発現するヒト神経芽細胞腫SK-N-MC細胞の細胞膜を用い,放射性標識した[125I]hCGRPのhCGRP受容体への結合をリメゲパントの存在下/非存在下で検討したところ,リメゲパントは[125I]hCGRPの結合を濃度依存的に阻害し,CGRP受容体に対する高い親和性(Ki:阻害定数=32.9 ± 11.6 pmol/L)を示した.また,リメゲパントは濃度依存的に[125I]hCGRPのKd(解離定数)を増加,すなわち親和性を低下させたが,Bmax(最大結合部位数)への影響は認められなかったことから,リメゲパントはCGRP受容体への結合に関して[125I]hCGRPと同一結合部位において競合していることが示された.

CGRP受容体はGタンパク質のGαsクラスと共役しており,CGRPが結合するとアデニル酸シクラーゼのGαs依存性活性化を介してcAMP(環状アデノシン一リン酸)が産生される.このhCGRP受容体シグナル伝達をリメゲパントが阻害するか否かについてSK-N-MC細胞を用いた試験系で検討したところ,リメゲパントはCGRP刺激によるcAMP産生を濃度依存的に阻害した(IC50:半最大阻害濃度=140.8 ± 12.0 pmol/L).また,Schild解析を用いてリメゲパントのKb(解離定数)を定量化することによりcAMP産生阻害のメカニズムについて検討したところ,リメゲパントによるcAMP産生阻害作用が同一結合部位における競合的拮抗作用であることが示された(Kb=117.8 ± 4.2 pmol/L).

さらに,リメゲパントのCGRP受容体への競合的な結合動態をSK-N-MC細胞の細胞膜と[3H]リメゲパントを用いて検討したところ,リメゲパントとCGRP受容体の会合は速やか(t1/2on注1=5.5分)であるのに対し,CGRP受容体からの解離は比較的緩徐(t1/2off注2=27.1分)であり,約5倍結合状態として存在しやすいことが示唆された.Kon(会合速度定数)は1.0×109 mol-1·L·min-1,Koff(解離速度定数)は0.026 min-1であり,KonとKoffの比(Koff/Kon)から算出されたKdは25.6 pmol/Lであった.

3) 片頭痛モデルにおけるCGRP受容体拮抗作用(in vivo)

リメゲパントはコモンマーモセットのCGRP受容体に対してhCGRP受容体と同程度の拮抗作用を示したことから,マーモセットを用いてリメゲパントの有効性を評価した.

重度片頭痛中におけるCGRP放出を模したマーモセットモデル(10 μg/kg hαCGRPを静脈内投与)にリメゲパントを皮下投与した後の顔面血流の変化をレーザードップラーフローメトリーによりモニターした.1回目のhαCGRP投与後の顔面血流増加量をベースラインとし,その後リメゲパント(0.3,1,3又は7 mg/kg)を皮下投与したのち,2~4回目のhαCGRP投与後の顔面血流増加量をベースラインと比較することによりCGRP受容体拮抗作用を評価した.10 μg/kgのhαCGRPの静脈内投与により顔面血流量は75%以上増加した(ベースライン).リメゲパントは0.3 mg/kg(投与後1.75時間の血漿中濃度は56 nmol/L)では有意な作用を示さなかったが,1 mg/kg(阻害率約50%,投与後1.75時間の血漿中濃度は92 nmol/L)で有意な作用を,7 mg/kg(阻害率75~80%,投与後1~1.75時間の血漿中濃度は687~769 nmol/L)では頑強な作用を示し,用量依存的にCGRP投与による顔面血流量の増加を阻害した.

4) オフターゲット薬理活性

 (1)カルシトニンファミリー受容体に対する選択性(in vitro)

CGRP受容体はカルシトニン様受容体(CL),カルシトニン受容体(CT)及び受容体活性修飾タンパク質(RAMP)の組み合わせで構成されるカルシトニンファミリー受容体に属する20ことから,カルシトニンファミリー受容体に対するリメゲパントの選択性について検討したところ,リメゲパントはカルシトニンファミリー受容体の中でもCGRP受容体に対して高い選択性(その他のカルシトニンファミリー受容体の65~100,000倍超)を示した(表1).

表1カルシトニンファミリー受容体に対する選択性

受容体 IC50(nmol/L) Ki(nmol/L)
(CGRP受容体に対する比)
CGRP(CL+RAMP1) 0.054 0.033(1.0)
Calcitonin(CT) >10000 >10000(>100000)
Adrenomedullin 1(AM1:CL+RAMP2) >10000 >10000(>100000)
Adrenomedullin 2(AM2:CL+RAMP3) >3000 >1700(>50000)
Amylin 1(AMY1:CT+RAMP1) 2.28 2.15(65)
Amylin 2(AMY2:CT+RAMP2) NA NA
Amylin 3(AMY3:CT+RAMP3) 1700 1600(49000)

NA:生理学的関連性が明確ではないため評価していない                   (n=2~3)

 (2)リガンド結合試験

32種のターゲットからなるGタンパク質共役型受容体,トランスポーター,イオンチャネル,核ホルモン受容体及び酵素のパネルを用いて,リメゲパントのオフターゲット薬理活性を検討したところ,ほとんどのターゲットに対しては試験で用いたリメゲパントの最高濃度(10~150 μmol/L)まで相互作用は認められず,ノルエピネフリントランスポーター及びホスホジエステラーゼ4を除き,IC50はいずれも14 μmol/L超であった.ノルエピネフリントランスポーター及びホスホジエステラーゼ4に対するIC50はそれぞれ9.5及び5.8 μmol/Lであったが,ヒトに臨床用量である75 mgを投与したときの非結合型Cmax(最高血漿中濃度;0.13 μmol/L)の45倍以上に相当することから,臨床で想定される濃度では阻害作用を示さないと考えられる.また,リメゲパントは血液脳関門を通過しにくいことからも,中枢神経系におけるノルエピネフリントランスポーター又はホスホジエステラーゼ4との間に重大な相互作用が生じる可能性は低いと考えられる.

 (3)ヒト冠動脈及び頭蓋内動脈に対する収縮作用(ex vivo)

新鮮なヒト冠動脈及び頭蓋内動脈の検体から作成したリング状切片を用いて,リメゲパントの血管収縮作用を評価した.被験物質としてリメゲパントに加え,リメゲパントと同等のCGRP受容体拮抗作用(Ki=23 pmol/L)を有するBHV-3500及びトリプタン系片頭痛薬であるスマトリプタンを用い,更に陽性対照としてセロトニン(5-HT,10 μmol/L)を用いて各々について血管の最大収縮を求めた.リメゲパント及びBHV-3500は使用した最高濃度(いずれも冠動脈では10 μmol/L,頭蓋内動脈では3 μmol/L)においてもヒト冠動脈及び頭蓋内動脈に対する収縮作用を示さなかったが,スマトリプタンはヒト冠動脈及び頭蓋内動脈のいずれに対しても濃度依存的な収縮作用を示した(EC50:半数最大効果濃度はそれぞれ279 ± 50及び227 ± 31 nmol/L).

3.  臨床薬理

1) 血中濃度

日本人健康成人にリメゲパント25 mg,75 mg又は150 mgを単回及び反復(1日1回14日間)経口投与したとき,リメゲパントは速やかに吸収され,約1.5~2.75時間後にCmaxに到達し,半減期は約9~10時間であった21.単回投与時の曝露量(area under the curve:AUC及びCmax)は用量比例性を上回って増加した.反復投与時にリメゲパントの血漿中濃度は2日目に定常状態に達し,意味のある蓄積は認められなかった.

2) 吸収,分布,代謝,排泄(ADME)

リメゲパントの絶対的バイオアベイラビリティは約64%であった.リメゲパントは主にチトクロームP450(CYP)3A4により代謝された後に糞中に排泄される.放射性同位体を用いたmass balance試験(ヒトADME試験)では,未変化体が循環血漿中総放射能の77%を占め,代謝物はごく微量であった.主要排泄経路は糞中排泄(約78%)であり,副次的排泄経路は腎排泄(約24%)であった.経口投与後の平均分布容積は120.4 Lである.リメゲパントのタンパク質結合率は約96%であり,赤血球への特異的な移行性は認められない.

高脂肪食又は低脂肪食摂取条件下でリメゲパントを投与したとき,空腹時投与と比べ,最高血漿中濃度到達時間(Tmax)の延長及び曝露量の低下がみられたが,6つの主要な第Ⅱ/Ⅲ相及び第Ⅲ相試験から,食事による曝露量の低下は臨床的に重要でないと結論付けた.

3) 内因性要因の影響

リメゲパントの薬物動態(PK)に及ぼす内因性要因(年齢,人種,腎及び肝機能障害並びに授乳婦)の影響について,臨床試験で探索的に検討し,更に,母集団PKモデリングにより,性別,年齢,体重,人種,腎及び肝機能の影響を明らかにした22.重度の肝機能障害により曝露量が約2倍増加したことを除いて,これらの内因性要因によって曝露量に意味のある影響は認められなかった22

4) 外因性要因の影響(薬物相互作用)

イトラコナゾール及びフルコナゾール(それぞれCYP3A4の強い及び中程度の阻害薬)と併用したとき,リメゲパントのAUCはそれぞれ4.1倍及び1.8倍に増加した23.リファンピシン(CYP3Aの強い誘導薬)と併用したとき,リメゲパントのAUCは約20%に減少した23.また,片頭痛患者によく使われるスマトリプタンと併用したとき,リメゲパント及びスマトリプタンのPKに意味のある変化は認められず,スマトリプタン単剤投与時と比較して,平均動脈圧,収縮期血圧及び拡張期血圧の上昇も認められなかった24.更に,シクロスポリン[P-糖タンパク質(P-gp)及び乳がん耐性タンパク質(BCRP)の阻害薬]及びキニジン(P-gpの阻害薬)とそれぞれ併用したとき,リメゲパントのAUCは約1.6倍に増加した25.一方,対象となる患者集団で併用される可能性のある経口避妊薬(エチニルエストラジオール35 ng及びノルゲスチメート250 ngを含む)26やメトホルミン[多剤排出輸送体1(MATE1)の基質]27のPKに対してリメゲパントの影響は認められなかった.

4.  片頭痛患者を対象とした臨床試験成績

1) 外国の第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験

片頭痛の急性期治療におけるリメゲパントの有効性を後期第Ⅱ相,二重盲検,無作為化,プラセボ対照,用量設定試験(CN170003)28で最初に検討し,片頭痛治療におけるリメゲパントの最小有効用量を75 mgとした.その後,米国で実施した3つの第Ⅲ相試験(BHV3000-301,BHV3000-302,BHV3000-303)2931のすべてでその有効性が確認された.これらのデータと非盲検長期安全性試験(BHV3000-201)32に基づき,リメゲパントが片頭痛の急性期治療薬として米国で承認された.さらに,リメゲパントの片頭痛発作の予防に関する第Ⅱ/Ⅲ相試験(BHV3000-305)33,34とそれを支持するBHV3000-201試験の結果に基づき,リメゲパント75 mg EODが片頭痛発作の予防に対して米国で承認された.欧州においても,2022年に同様の承認を取得した.

2) 国内の第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験

日本では,急性期治療を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相試験(C4951022/BHV3000-313)35及び予防療法を対象とした第Ⅲ相試験(C4951021/BHV3000-309)36,37によりリメゲパントの有効性及び安全性を評価した.

 (1)急性期治療を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相試験(C4951022/BHV3000-313)

C4951022試験は米国の用量設定試験(CN170003)へのブリッジング試験であった.C4951022試験の目的は,日本の成人治験参加者を対象に片頭痛の急性期治療におけるリメゲパント75 mgとプラセボの有効性を比較し,加えて用量反応の評価を目的としてリメゲパント25 mgとプラセボの有効性を比較することであった35.1年以上の片頭痛の既往がある片頭痛患者をリメゲパント25 mg群,75 mg群又はプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた.治験参加者は,中等度又は重度の片頭痛発作時に治験薬を1回服用した.主要評価項目は投与2時間後の疼痛消失であった.本稿では,日本で承認を得ている用量である75 mgに焦点を当てる.

有効性評価の対象は706例(リメゲパント25 mg群238例,75 mg群238例,プラセボ群230例)であった.主要評価項目である投与2時間後の疼痛消失において,リメゲパント75 mgのプラセボに対する優越性が認められた(図2).副次評価項目の結果は,全体として主要評価項目と一貫していた(図3).階層的検定において初めの6つの副次評価項目でリメゲパント75 mgのプラセボに対する統計的に有意な有効性が示された.残りの副次評価項目においてもリメゲパント75 mgがプラセボより数値的に良好な傾向を示した.また,リメゲパントの忍容性は良好であり,既存の急性期治療薬で懸念されるような心血管リスクや中枢神経系リスクを示唆する所見はなかった(表2).以上より,日本の治験参加者において,リメゲパント75 mgは片頭痛の急性期治療においてプラセボより優れた有効性及び良好な安全性プロファイルを示した.

図2 投与2時間後の疼痛消失の割合(C4951022/BHV3000-313試験)

疼痛強度評価時に0(なし)と評価し,かつその時点までにレスキュー薬として制吐剤,バクロフェン,NSAIDs,アセトアミノフェン(最大2000 mg/日)を服用していない場合に奏効とした.

Mantel-Haenszel型の重みを用いた無作為化時の片頭痛発症抑制薬の使用による層別化(有効性解析対象集団).

CI:confidence interval(信頼区間)

図3 有効性に関する副次評価項目の結果(C4951022/BHV3000-313試験)

階層的ゲートキーピング検定において統計的に有意,両側有意水準0.05.

a)Mantel-Haenszel型の重みを用いた無作為化時の片頭痛発症抑制薬の使用による層別化(有効性解析対象集団).

CI:confidence interval(信頼区間),MBS:most bothersome symptom(最も煩わしい症状)

表2有害事象の要約(C4951022/BHV3000-313試験)

有害事象 リメゲパント
25 mg群
n=239
リメゲパント
75 mg群
n=238
プラセボ群
n=229
いずれかのAE 17(7.1%) 22(9.2%) 15(6.6%)
 軽度AE 16(6.7%) 19(8.0%) 12(5.2%)
 中等度AE 1(0.4%) 3(1.3%) 3(1.3%)
 重度AE 0 0 0
 SAE 0 1(0.4%) 0
 治験薬に関連するAE 3(1.3%) 6(2.5%) 7(3.1%)
いずれかの群で発現割合が0.5%以上のAE
 上咽頭炎 3(1.3%) 3(1.3%) 2(0.9%)
 COVID-19 2(0.8%) 1(0.4%) 1(0.4%)
 上腹部痛 0 1(0.4%) 2(0.9%)
 発熱 2(0.8%) 0 1(0.4%)
 血中クレアチニン増加 0 2(0.8%) 0
 浮動性めまい 2(0.8%) 0 0
 尿潜血 0 2(0.8%) 0
 尿潜血陽性 0 0 2(0.9%)

安全性解析対象集団(治験薬投与例).

AE:adverse event(有害事象),SAE:serious AE(重篤なAE)

 (2)予防療法を対象とした第Ⅲ相試験(C4951021/BHV3000-309)

C4951021/BHV3000-309試験の目的は,日本の成人治験参加者を対象に,片頭痛の予防療法におけるリメゲパント75 mg EODの有効性をプラセボと比較することであった.C4951021試験は12週間の二重盲検期36及び40週間の非盲検期37の計52週間の試験であった(図4).対象は,1年以上の片頭痛(前兆の有無は問わない)の既往歴を有し,スクリーニング来院前3ヵ月以内の中等度又は重度の片頭痛回数が4~18回/月の既往がある片頭痛患者であった.主要評価項目は,二重盲検期の最後の4週間(Week 9~12)における1ヵ月あたりの片頭痛日数(monthly migraine days:MMD)のベースラインからの平均変化量であった.

図4 試験デザイン(C4951021/BHV3000-309試験)

有効性評価対象は484例(リメゲパント群240例,プラセボ群244例)であった.主要評価項目において,リメゲパント群のプラセボ群に対する優越性が認められた(図5).副次評価項目は統計的に有意ではなかったものの,全体として副次評価項目の結果はリメゲパント群でプラセボ群より良好であった(表3).また,二重盲検期におけるリメゲパントの忍容性は良好であり,便秘の発現割合は2.8%と低かった(表4).以上より,リメゲパントEODは片頭痛予防においてプラセボより優れた有効性及び良好な安全性プロファイルを示し,MMDの減少が1ヵ月目及び12週間の二重盲検期を通じて認められた.

図5 二重盲検期の最後の4週間(Week 9~12)における1ヵ月あたりの片頭痛日数のベースラインからの平均変化量(C4951021/BHV3000-309試験)

観察期間の平均片頭痛日数(標準偏差)は,リメゲパント群で9.26(3.08)日,プラセボ群で9.04(3.14)日であった.

両側有意水準:0.05,反復測定線形混合効果モデル(二重盲検期片頭痛解析対象集団),共変量:観察期間の1ヵ月あたりの片頭痛日数,固定効果:投与群,無作為化時の片頭痛発症抑制薬の使用状況,月及び月と投与群の交互作用.

CI:confidence interval(信頼区間)

表3有効性に関する副次評価項目の結果(C4951021/BHV3000-309試験)

リメゲパント群 プラセボ群 群間差
(リメゲパント-
プラセボ)
P
副次評価項目(検定順)
二重盲検期の最後の4週間(Week 9~12)における中等度又は重度のMMDがベースラインから50%以上減少した治験参加者の割合a,b
観察期間の中等度又は重度のMMD,平均(SD) 6.4(3.21) 6.0(3.05)
反応割合,%(n/N) 41.7(100/240) 34.4(84/244) 7.3
95% CI (35.5,47.9) (28.5,40.4) (-1.4,15.9) 0.0989
二重盲検期全体(Week 1~12)におけるMMDのベースラインからの平均変化量a,c 観察期間のMMD,平均(SD) 9.3(3.08) 9.0(3.14)
最小二乗平均 -2.5 -1.1 -1.5
95% CI (-2.91,-2.15) (-1.47,-0.64) (-2.02,-0.92) <0.0001
二重盲検期の最初の4週間(Week 1~4)におけるMMDのベースラインからの平均変化量a,c 観察期間のMMD,平均(SD) 9.3(3.08) 9.0(3.14)
最小二乗平均 -2.7 -0.8 -1.9
95% CI (-3.11,-2.20) (-1.26,-0.32) (-2.51,-1.23) <0.0001
二重盲検期の最後の4週間(Week 9~12)における特定の片頭痛急性期治療薬の1ヵ月あたりの平均使用日数a,d 最小二乗平均 5.0 5.8 -0.8
95% CI (4.40,5.55) (5.24,6.40) (-1.64,-0.05) 0.0371
Week 12におけるMSQoL v2.1の日常役割機能の制限スコアのベースラインからの平均変化量e,f ベースライン,平均(SD) 66.8(15.43) 69.4(15.25)
最小二乗平均 7.8 3.7 4.1
95% CI (6.20,9.44) (2.05,5.36) (1.89,6.33) 0.0003
Week 12におけるMIDASの総スコアのベースラインからの平均変化量e,f ベースライン,平均(SD) 14.8(16.66) 15.2(19.01)
最小二乗平均 -4.0 -1.6 -2.4
95% CI (-5.57,-2.42) (-3.88,0.70) (-4.98,0.17) 0.0672
Week 12におけるEQ-5D-5L VASスコアのベースラインからの平均変化量e,f ベースライン,平均(SD) 77.1(17.02) 78.8(16.73)
最小二乗平均 3.5 0.8 2.7
95% CI (1.60,5.37) (-1.40,3.02) (-0.19,5.54) 0.0671

事前に規定した順序に従い階層的ゲートキーピング法により副次評価項目を両側α=0.05で評価した.検定は最初に有意差が認められなかった項目で終了し,それ以降は名目上のP値を示した.

a二重盲検期片頭痛解析対象集団:リメゲパント群n=240,プラセボ群n=244

bMantel-Haenszel検定のリスク推定,無作為化時の片頭痛発症抑制薬の使用状況により層別化

c反復測定線形混合効果モデル,共変量:観察期間のMMD,固定効果:投与群,無作為化時の片頭痛発症抑制薬の使用状況,月及び月と投与群の交互作用

d反復測定線形混合効果モデル,固定効果:投与群,無作為化時の片頭痛発症抑制薬の使用状況,月及び月と投与群の交互作用

e二重盲検期有効性解析対象集団,12週目にペアデータがある(ベースライン及び12週目の両方で欠損がない)治験参加者:リメゲパント群n=228,プラセボ群n=237

f線形回帰モデル,共変量:ベースラインスコア,固定効果:投与群及び無作為化時の片頭痛発症抑制薬の使用状況

正式な仮説検定を行わず,名目上のP値.

CI:confidence interval(信頼区間),MIDAS:Migraine Disability Assessment,MMD:monthly migraine days(1ヵ月あたりの片頭痛日数),MSQoL:Migraine-Specific Quality-of-Life Questionnaire,SD:standard deviation(標準偏差),VAS:visual analog scale

表4二重盲検期の有害事象の要約(C4951021/BHV3000-309試験)

n(%) リメゲパント群
n=247
プラセボ群
n=249
いずれかのAE 135(54.7) 102(41.0)
いずれかの群で発現割合が2%以上のAE
 上咽頭炎 21(8.5) 25(10.0)
 口腔咽頭痛 9(3.6) 8(3.2)
 コロナウイルス感染 8(3.2) 4(1.6)
 上腹部痛 8(3.2) 2(0.8)
 COVID-19 7(2.8) 7(2.8)
 便秘 7(2.8) 1(0.4)
 発熱 6(2.4) 5(2.0)
 インフルエンザ 5(2.0) 5(2.0)
 背部痛 3(1.2) 6(2.4)
軽度/中等度/重度AE 110(44.5)/ 24(9.7)/ 1(0.4) 96(38.6)/ 6(2.4)/ 0
SAE 2(0.8) 1(0.4)
治験薬に関連するAE 24(9.7) 11(4.4)
治験薬の投与中止に至ったAE 4(1.6) 2(0.8)
肝臓関連AE 3(1.2) 4(1.6)

二重盲検期安全性解析対象集団.

AE:adverse event(有害事象),SAE:serious AE(重篤なAE)

非盲検期には,リメゲパントEODに加え,規定服用日以外の日に1回頓服での服用が可能であった.非盲検期にリメゲパントを最長40週間,最大1日1回服用したときの安全性プロファイルは良好であった(表5).また,ベースラインからのMMDの平均変化量をはじめとする持続的な有用性を示した(図6).以上より,非盲検期にリメゲパントを最長40週間,最大1日1回投与したときの持続的な有用性及び良好な安全性プロファイルが観察された.

表5非盲検期の有害事象の要約(C4951021/BHV3000-309試験)

n(%) 全体
n=458
いずれかのAE 337(73.6)
発現割合が5%以上のAE
 上咽頭炎 115(25.1)
 COVID-19 60(13.1)
 インフルエンザ 25(5.5)
 背部痛 24(5.2)
軽度/中等度/重度AE 268(58.5)/66(14.4)/3(0.7)
治験薬に関連するAE 46(10.0)
治験薬の投与中止に至ったAE 6(1.3)
SAE 4(0.9)
治験薬に関連するSAE 2(0.4)
肝臓関連AE 15(3.3)
治験薬の投与中止に至った肝臓関連AE 3(0.7)

非盲検期リメゲパント安全性解析対象集団.

AE:adverse event(有害事象),SAE:serious AE(重篤なAE)

図6 1ヵ月あたりの片頭痛日数のベースラインからの変化量の推移(C4951021/BHV3000-309試験)

CI:confidence interval(信頼区間)

3) 外国の第Ⅳ相試験

外国では,日本で承認を得ている用法・用量と同じ服用方法で実施した第Ⅳ相試験が複数報告されている.トリプタンが適合しない(トリプタンに不耐用若しくはトリプタンが無効であった,又はトリプタンが禁忌であった)治験参加者を対象にリメゲパント急性期治療の有効性及び忍容性を評価する第Ⅳ相試験(C4951004/BHV3000-406試験)では,主要評価項目である投与2時間後の頭痛軽減において,リメゲパントのプラセボに対する優越性が認められ,忍容性は良好であった38.2~4種類の経口片頭痛予防薬の効果が不十分であった反復性片頭痛の治験参加者を対象とし,リメゲパントEODによる予防療法の有効性及び忍容性を評価した第Ⅳ相試験(C4951012/BHV3000-407試験)が実施され,二重盲検期全体のMMDのベースラインからの平均変化量において,リメゲパントEODのプラセボに対する優越性が認められ,忍容性は良好であった39

リメゲパントの第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験において,有効性及び安全性に国内外差は認められなかったことから40,これらの外国の試験成績も日本の実臨床下における有用な情報となり得る.

5.  おわりに

リメゲパントは第2世代のゲパントに属し,安全性と効果について豊富な日本人データを有するOD錠である.本薬は片頭痛発作時の急性期治療として,またEODによる予防療法として同一薬剤による治療が可能である8.片頭痛の発症や増悪要因として,月経(エストロゲン変動),睡眠,ストレスなどが報告されているが,このような内因及び外因的要因は均一に継続するものではない.また,季節などの環境要因で片頭痛発作の頻度や重症度は個人のなかでも変化しうる.そのような状況下で本薬は急性期の頓用として,又は予防として患者の状態に応じた使用を可能にする新たな治療オプションである.本薬の中枢内移行は極めて少ないとされ,中枢系副作用が示唆される症状として,添付文書から浮動性めまいが0.5%~1%未満,また傾眠は0.5%未満とされる.また,一部のCGRP関連抗体製剤と比べて便秘の発現割合も低いことが報告されている(国内第Ⅲ相試験の二重盲検期最長12週間において,プラセボ0.4%に対して2.8%).さらに,第Ⅲ相試験期間中における薬剤の使用過多による頭痛(medication overuse headache:MOH)の発症は0件であるなど,頻回投与に伴うリスクは比較的少ないと期待される8.本薬は血管拡張の抑制作用を有するが収縮作用はない(血管径を正常状態に戻す)ことや,これまでの心血管リスク因子保有患者を含む長期試験やリアルワールド解析で重大な心血管安全性シグナルは確認されていない.また,本薬を含むCGRP又は受容体に拮抗作用を有する各種薬剤は妊娠時における安全性は確立されておらず,現在のところ妊娠判明時は投与を控えるようガイドラインでは記載されている8.本薬の妊婦への安全性は海外を中心に評価中であり,前向き妊娠レジストリ(Clinical Trials.gov ID:NCT05046613)及び後ろ向きコホート研究(Clinical Trials.gov ID:NCT05198245)が進行中である.

このように,本薬の登場により片頭痛治療における急性期治療と予防療法の間のハードルは低くなり,患者の状態(頻度や重症度)に応じた治療が可能となった.これは両適応に対応可能な同一剤形による薬物相互作用リスクの回避,MOHへの進展リスクの低減に裏付けられている.このように,本薬は片頭痛治療を急性と予防に分けて考えるスキームを覆すパラダイムシフトをもたらす可能性がある.

利益相反

石川 智史,諸田 沙織,時 ベイニ,李 銀華(ファイザーR&D合同会社)飯島 正博(ファイザー株式会社).

Notes
注1  50%が会合する時間

注2  50%が解離する時間

文献
 
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