日本薬理学雑誌
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門脈下大静脈吻合(PCA)ラットにおける肝性脳症用アミノ酸顆粒剤MHS-Gの肝性脳症改善効果
乾 賢一松田 晃彦茶木 啓孝牧田 市郎国場 幸史片岡 美紀子佐藤 誠
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1993 年 102 巻 6 号 p. 379-388

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抄録
門脈下大静脈吻合(PCA)ラットを用い,MHS-G投与による酢酸アンモニウム負荷時の脳波異常の改善および脳内アミン代謝異常の改善効果について市販肝不全用経口栄養剤(SF-1008C)と比較検討した.MHS-G投与(0.68g/kg,p.o.)は精製水投与に比べ,アンモニア負荷時の脳波振幅の縮小や周波数解析におけるδ波占有率の増加およびβ波占有率の減少という異常脳波の出現を有意に抑制し,脳内アミン代謝においてもDOPACおよびTrpの代謝異常を改善した.さらに,血漿および脳内遊離アミノ酸中の分岐鎖アミノ酸および芳香族アミノ酸パターンの乱れを改善するとともに,血漿アンモニア濃度を有意に低下させた.以上の結果より,MHS-Gは肝不全時に認められる種々の異常を是正することが明らかになった.
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