日本薬理学雑誌
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Antimonyl (V)-Hexonatの連續投與による臟器内分布及内臟の組織像に及ぼす影響について
金井 奬
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1947 年 42 巻 4 号 p. 161-167

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抄録
1912年Gaspar Viannaが吐酒石をLeischmania病の治療に用ひて以來種々のSb劑が製せられたが近年になりNeostibosan Solustibosan等が合成され極めて優秀な效果を挙げるに至つた.Solustibosanについては, H. Weese A. Kentenich Walter KikuthHans-Schmidt等諸家の報告によると排泄が速で毒性が極めて小いのにもかゝはらす, Hamsterを使用した治療實驗に於て, 充分な效果をあげ得た事を述べ, 又Napaier, ChaudhuriRai Chaudhuri StrutherLin Yatesの諸家によりKala-Alarの治療に著效のある事が報ぜられて居る.
余は5債SbのHexonat化合物が臨床實驗では, Kala-Azar病肝臟ヂストマ病日本住血吸蟲病等の寄生蟲疾患に封し大量持績投與によつて著明な效あるを知り, 本藥物の大量持續投與と, その體内蓄積との關係及び組織細胞に及ぼす影響を調査し, 本劑の作用機序を明にし樣と思ひ本研究を行ふた.曩に岡田は家兎につき本藥物の排泄の速であるのを明にしたが余は實驗動物缺亡の爲專らマウスを使用した.
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