日本薬理学雑誌
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Strospeside徐脈の猫に於ける反射機構について
安孫 子保
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1961 年 57 巻 6 号 p. 611-616

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抄録

Pentobarbital sodiumで麻酔した猫について,迷走神経,洞神経,頸髄又は星状神経節を切断或いは摘除した場合にStrospesideによる徐脈が現れるか否かを検討して次の結果を得た. 1) Strospeside徐脈が現れなし場合a) 両側迷走神経切断+両側洞神経切断b) 両側迷走神経切断+頸髄切断c) 両側迷走神経切断+両側星状神経節摘除2) 対照群と同様にStrospeside徐脈が現れる場合a) 両側迷走神経切断b) 両側洞神経切断c) 頸髄切断d) 両側星状神経節摘除
以上の成績からStrospesideによる徐脈には,迷走神経系と頸動脈毬-交感神経系が関与していて,これ等の経路は互に独立していることを推定し,強心配糖体による徐脈の機序に関しての仮説を立てた.
稿を終るに臨み,御指導及び御校閲を賜った恩師田辺恒義教授に深謝の意を表すると共に, Strospesideを提供して頂いた塩野義製薬株式会社に対して感謝の意を表します.

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